戯曲のススメ

Tweet about this on TwitterShare on Facebook0Share on Google+0Share on Tumblr3Pin on Pinterest0
ひと昔前、芝居を観るのに凝ってた時期があり、戯曲を読むのが楽しくなったのはまたそれより後だった。
観たり読んだりするなかで、脳内に架空の舞台が建てられる。そのうち板の上を、架空の役者たちが飛び跳ねるようになった。

先日のセルフパブリッシング本『遅れてきた死神』は、その頃に書いた戯曲のプロット。筒井康隆や井上ひさしのような、読めばわかる戯曲だ。会話劇のような動きのないものはあまり好きではなくて、台詞と動きが掛け合うような戯曲が書きたかった。

取っつきにくいと思われがちな戯曲だが、あれは慣れである。ただ観劇の経験(テレビででも寄席でも)がないと、想像を働かせるのは難しいのかもしれない。映画のシナリオとは違うから。
空想の舞台空間で架空の役者を動かす楽しみは小説にはない。小説の作品世界は作者が支配している。戯曲は縛りが多いように見えるけれど、読み手の自由ははるかに大きい。その分読み手は想像力を駆使しなければならないので、それを快感と思えるかどうかってことなのだろう。

観客席の空気と劇場の空間が、入れ子になった世界を見ている気にさせる。たとえそれが想像の舞台でも。それがとても心地よくて、私はだから戯曲が好きなのだ。(ブログより抜粋)

*

Processed with Rookie Cam

〈あらすじ〉現場に遅れて魂を回収しそこなった死神は、替えの魂を手に入れようと、その場で機会を待つことに。魂を回収するのが仕事である死神にとって、人間のそれぞれの事情なんてどうでもいいこと。死神みずから手をくだすことはできないが、機会は次々訪れる……。

 

 (戸田鳥)
The following two tabs change content below.
戸田鳥
「あることないこと、ありえないこと、あったかもしれないこと」を短い物語にしています。 AmazonとBCCKSにて電子書籍の公開・販売中(紙本も作ってます)。
戸田鳥

最新記事 by 戸田鳥 (全て見る)

あわせて読みたい